相続対策は限界税率で考える

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相続税は超過累進税率

超過累進税率って知っていますか?

ある段階までの金額までは税率が○%、それを超えると超えた部分については○%、次の段階ではまた○%という感じに、トリガーを超えた段階ですぐに税率が全体的に課税されるわけではなく、あくまでも階段状に税率が適用されるという制度です。

相続税や贈与税、所得税もその超過累進税率で課税されます。

所得税のイメージが強いと思いますが、相続税も同じような仕組みです。

住民税は所得金額の10%ですから超過税率ではなく、比例税率で課税される税金です。

まずは、この違いの理解が必要です

超過累進税率と限界税率、平均税率の違い

さて、超過累進税率ではこのように階段状に税率が適用されていきますから階層がしたのほうの税率と高い部分の階層の税率は、同じ納税者であったとしても当然に異なります。

相続税でいうと相続人の取得分の税率が3億円を超えたとするとこの超えた部分に適用される税率は50%となります。

超えた部分は半分税金です。

相続税対策ではこのMAXの税率で考えることが大事なのです。

例えばこんな相続税の試算がでると

例えば4億円の財産で相続人が子供一人の場合を考えてみましょう。

4億円-基礎控除6千万円=3億4千万円

これに対する税金は速算表で計算すると1億2300万円となります。

4億に対して1.2億ですから平均すると約30%となります。

でもこの人に対して適用されるMAXの階層の税率は50%なのです。

このMAXの階層の税率は一般的には限界税率といわれます。

贈与税の税率(平均)を比較しましょう

次に贈与税を考えてみましょう。

贈与税も超過累進ではありますが、相続税よりも早い金額で50%に達します。

それでは500万円を贈与すると課税される贈与税はいくらでしょう。

これも速算表で計算すると53万円です。

平均すると約1割です。限界税率は20%です。

でも、あくまでも相続税の限界税率と比較するときは平均で考えてもいいでしょう。

相続税の限界税率と贈与税の平均税率を比較すると…

何もしなければ50%の税率で相続税がかかるところ、約10%の贈与税の税率で生前に移転できるのです。

これを8年続けると4000万円移転できますから、これだけで最高50%の階層の相続税はすべてなくなります。

もちろん、50%の相続税の方であれば10%ではなく30%くらいの贈与税を支払っても損はないでしょう。

これが限界税率の考え方を用いた暦年課税による生前贈与の基本的なロジックとなります。