事務所通信の11月号で事業承継は社長の仕事、、という記事がありました。
これを少し深堀してみます。
事業承継は社長の仕事
今後5年で、経営者の30万人以上が70歳以上になるとされ、多くの企業が事業承継のタイミングを迎えます。中小企業庁においても、今後5年をめどに事業承継を集中的に支援するとしています。
事業承継は、重要な経営課題ですが、明確な期限もなく、差し迫った理由がないと、なかなか進まないといわれています。
しかし、事業承継には5~10年という長い準備が必要です。後継者が決まっていれば「育成」、後継者不在であれば「第三者への譲渡」などを検討しなければなりません。
事業承継は3つの資産を承継することから
事業承継の対象となる中小企業経営者の資産は、財的資産、知的資産、人的資産の3つといわれています。
財産の承継と経営の承継は、別々に、かつ同時進行で考えなければなりません。
別々に考えると言っても、中小企業にとって個人と会社は一体ですから、同時進行なのです。
自社株や事業用資産など財的資産の承継とともに、ノウハウやブランド力などの知的資産、そして人脈などの人的資産の承継が必要です。
後継者が経営に必要な能力を身に着けるには5年から10年が必要とされます。
ある日突然に引き継ぐ、となると言われたほうも困ります。
後は次に引き継ぐ息子が考えればいい、というのでは無責任です。
早いうちからの準備がとても重要になる、現社長の仕事なのです。
後継者が引き継ぎたくなる会社にする!
事業承継の大きな課題は後継者不足といわれています。
世界的でも通用するような下町の中小工場が後継者がいないために、廃業する…なんてニュースもありました。
技術があっても後継者がいない、引き継ぎたいという人が手をあげてくれない、中小企業の事業承継の現場ではそういったことは数多くあります。
中小企業の社長の息子は意外にもサラリーマンとして成功している人も多くいます。
自分のような苦労はさせたくないと思っている社長も多いと思います。
自社を継がせる前に外の空気を吸って来い、そんな気持ちで送り出すケースも多いと思います。
結果的に外の空気のほうがおいしかったのか、サラリーマン生活にやりがいを感じて父親の会社を継がないというケースも増えているようです。
サラリーマンとしての人生を選ぶのか、親の会社を継ぐのか、は後継者候補のお子様にとっても人生の大きな選択です。
家族も持ち、子供の教育費なども心配になってきます。
父親の会社の業績が低迷して、将来を悲観的に考えてしまうと、サラリーマンの安定を捨ててまで親の会社を継ぐ意味が見いだせなくなります。
事業承継に取り組む前段階として子どもが継ぎたくなる会社を目指して、まずは黒字化にむけた経営改善に取り組む、企業価値を高めることが重要になります。
後継者候補が安定を捨てても、親の会社を継いでもいい、是非後を継ぎたい…と思えるような会社作りをしていくのです。
当社では、事業承継時期のお客様に、TKCシステムによる業績管理をもとに会計で強い会社をつくるお手伝いをしています。
★事業承継には中小企業庁も積極的に取り組んでいます。
いろいろな資料やレジュメもありますので、是非ご覧ください。