先祖伝来の地所、固定資産税の負担も大きいし、相続税の不安もある…何かに活用していかないことには…
未利用の土地の有効活用にはいくつかの方法があります。
その選択にあたっては、
- 立地特性、
- 収益性、
- 法律上の規制、
- 税制の観点
などから
総合的に検討しなければいけません。
その判断にあたっては、事業方式の選択や誰をパートナーに選ぶのかなどのファクターがあります。
簡単にいえば、
誰が建物を建てるのか…誰が運営するのか…
ということです。
オーナーに土地活用のためのノウハウがどれくらいあるのか、どんな専門家のサポートが必要なのかを考えて事業方式を選択しましょう。
自己建設方式
不動産の活用方式の一つ、自己建設方式。
オーナー名義で建物を建設する、最も一般的な活用方法です。
◆事業内容
・土地のオーナーが自ら企画から賃貸管理までを個別に行う。
・実際には専門業者に個別に発注していく方式。
◆土地の所有権
土地オーナーの所有
◆税務
・賃貸収入…不動産所得
・相続税評価…貸家建付地
◆長所と短所
・長所…必要コストが低い
・短所…知識、経験、労力が必要。専門家のアドバイスがなく、自己経営になる危険。
事業受託方式
デベロッパーが土地オーナーから委託をうけて土地活用の事業を行う方式です。名義は土地オーナーのままですが、デベロッパーに事業を丸投げする方法です。
◆事業内容
・デベロッパーが企画から建築、場合によっては物件管理までを土地所有者から請け負って運営していく方式
◆土地の所有権
土地オーナーの所有
◆税務
・賃貸収入…不動産所得
・相続税評価…貸家建付地
◆長所と短所
・長所…専門知識が不要
・短所…コストがかかる。デベロッパー選びに失敗すると収益性が低くなる。
土地信託方式
土地の有効活用の三つ目は土地信託方式による活用法です。
◆事業内容
土地を信託銀行に信託し、信託銀行が資金の調達から建築、募集、管理までを行い、その成果を信託配当として土地所有者に分配していく方式
◆土地の所有権
土地オーナーの所有(形式的には信託銀行に移転する)
◆税務
・賃貸収入…不動産所得(実質的には所有しているのと変わらないため配当所得にはならない)
・相続税評価…貸家建付地
◆長所と短所
・長所…手間がほとんどない。
・短所…信託コストがかかる。信託銀行の手腕によりパフォーマンスが異なる。
等価交換方式
土地の有効活用の4つ目は等価交換による活用方法。
デベロッパーに土地の一部又は全部を一度譲渡し、その代わりにビルの一部をもらう方式になります。
◆事業内容
・デベロッパーに土地の全部または一部を譲渡し、その代わりに建物やビルの一部を取得する方式
◆土地の所有権
土地オーナーとデベロッパーの共有になる
◆税務
・賃貸収入…不動産所得
・相続税評価…貸家建付地
◆長所と短所
・長所…資金負担がほとんどない。
・短所…土地の一部がデベロッパーに譲渡される。コストが低いため所得税対策にはならない。
定期借地権方式
土地の活用法のうち、定期借地権を設定して賃貸する方式です。
◆事業内容
・定期借地権を設定して土地を賃貸する方式
◆土地の所有権
オーナーが底地を所有し、借地権が発生する
◆税務
・賃貸収入…不動産所得(保証金を受け取っている場合、運用益は別途課税されるケースがある。)
・相続税評価…定期借地権の底地として特殊な評価をする。
◆長所と短所
・長所…資金負担がなく、定期的な収入を期待できる。
・短所…定期借地権の契約期間中は転用など自由に利用できない。