税理士事務所や税理士法人のホームページをみると時々みかける宣伝文句に「相続税の申告件数何件、だから相続の専門家です」というのがあります。
確かに相続税の申告件数が多いと、相続税の申告を依頼するのにとても心強いと思います。
でも、相続税の申告をたくさんやっているから相続の専門家って、この理屈ってちょっと変じゃないですか?
相続税の申告件数が多い=相続の専門家なのか?
相続税の申告件数が多いというのは、実際に相続についての経験や知識が多いことにはならない気がします。
相続税の申告業務については年1件よりも10件、10件よりも100件のほうが知識や経験で勝るとは思います。
件数が多いほうが、扱う事例の種類を重ねられて経験もつくでしょう。
事務スタッフに作成をさせているだけなのかもしれませんが、それでも相続税の申告についての事務所としてのスキルも絶対にアップしています。
標準化して作業を機械的に行うからコストについても強みがあるのかもしれません。
???でも、相続の専門家なのでしょうか?
これって個人事業の確定申告100件やっているから事業経営の専門家と言っているのとあまり変わりがないように思います。
つまり、申告書の作成という事務作業を行っているだけで、作業そのものについてはプロなのかもしれませんが、事業経営については専門家とはいえないということです。
騙しているわけではないでしょうけど…
批判しているわけではありません。むしろ感心しています。
これを宣伝文句に使おうと思った最初の人はすごい能力だと思います。
キャッチコピーづくりやマーケティングの天才かもしれませんね。
当社でも相続税の申告年間〇件、贈与税〇件などと、HPで喧伝していた時期もあります。
でも、ちょっとしたトリック、印象マジックがはいっている感じがしてやめました。
事実そうなのかもしれないけど、因果関係が少し薄いデータを紐つけて誤解を与えかねないような気がしたからです。
実は相続税の申告件数が多いというのは相続税の計算や財産評価、添付資料の収集という手続きが詳しい、経験豊富というだけなのです。
税金の計算だけではない相続の世界
先日の記事でも紹介したように、相続税の対策と相続の対策は違います。
同じように相続税の申告手続きは、相続手続きの一つでしかありません。
相続手続き全般の知識や経験があって、さらに相続準備や対策ができて初めて相続の専門家といえると思います。
相続手続き全般に取り組むとなると、法律分野の知識も必要となりますし、相続人の間に入っての手続きになります。
机上で財産を評価して税金を計算をすることに比べると、ストレスや緊張感も全然違います。
これらの仕事は税理士よりも弁護士さんの仕事なので、正直、弁護士さんは大変な仕事だなといつも思ってしまいます。
もちろん、紛争にならないレベルの相続手続きについての支援は当社でも行わせていただくので、他人事ではないのですが、やっぱり争っている人の間に入るのは大変そうな感じがします。
我々は紛争解決の専門家ではないので、あくまでも円満に手続きができる前提での仕事になります。
ワンストップ&トータルサポートを目指します
横浜パートナーズは相続税の申告件数を追うのではなく、本物の相続の専門家を目指して、相続手続き全般から、もちろん相続税の申告、生前準備、相続対策、相続税対策、事業承継の支援など、相続や財産管理、資産承継をトータルで支援するワンストップサービスを目指しています。
そのために、遺言や家族信託などの法務サービスや、生命保険や土地活用、金融商品の取り扱いなどのFPサービスについても充実させていきます。
さらに相続税シミュレーションや節税提案などの本業である税務サービスもより一層向上させていきます。
あくまでも現在進行形なので、なかなかうまくはできていないかもしれませんが、提携企業や提携士業などの準備は整ってきています。
ワンストップ&トータルサポートなら横浜パートナーズといっていただけるように頑張って取り組みたいと思っております。