エンディングノートとは?
少し前から終活という言葉とともに、エンディングノートもよく聞く言葉になっていると思います。
エンディングノートという言葉ですが、遺言とは違います。
遺言は法律で決められた事項について、死後に法的な手続きをするために書くものです。
書いている内容の法的な拘束力が違うことになります。
エンディングノートは遺言と異なり、法的な効力はありません。
ご家族は、書かれたものの通りに実行しなくても法的には問題ないということになります。
ただ、心情的にはなるべくその通りに実行してあげたくなるかな…とは思います。
また、死後の手続きについて書くというだけではありません。
これからの人生をどう生きるのかというライフプラン、つまりエンディングプランについて書くという特徴もあります。
家族へのメッセージであるとともに、未来に向けた自分へのメッセージであるともいえるかもしれません。
エンディングノートの書き方
様々なエンディングノートが世に出ています。
市販されているものだけでも数十種類でしょうか、いろいろな業者さんがそれぞれオリジナルにつくっていうものを含めると数百種類あるといわれているようです。
それら様々な思惑や価値観で作られているエンディングノートですが、一般的には次の4つの内容についてを書いていくものとなります。
- 自分のこと(プロフィールや家族構成、友人について)を書く
- 財産について書く
- エンディングプラン(介護や医療、葬儀など)について書く
- のこされる方にメッセージを書く
私たちのような専門家も、お客様に無理やり遺言を書いてもらうことはできません。
このお客さん遺言作っておいたほうがいいのにな…と思っていてもなかなか動きだしません。
もっとハードルが低いものないかな…と思ったときに思いつくのがこのエンディングノートです。
さらに、遺言にはないいい部分もあります。
法的に効力のないような内容や、これからのライフプランについても自由に書けるということも魅力だと思います。
法的に効果がない…というところはやはり注意が必要ですが。
エンディングノートを書く意味
家族が亡くなると困ることは、どのようなものでしょうか?
- 危篤の連絡を誰にすればいいのかわからない
- 延命措置するかどうか医者から連絡がきたけどどうすればいいの
- 亡くなった連絡、葬儀の案内を誰にすればいいのかわからない
- どのような葬儀にすればいいのかわからない
- うちって宗派は、なんだっけ?
- どこかの霊園にお墓買ったって言ってなかった?
- 墓石に掘る家紋って本家の叔父さんに聞けばいいのかな
- 葬儀屋さんどこかの互助会の会費払ってなかったっけ?
- お父さんの財産ってどうなっているの?
- 10年前に死んだ祖父名義の田舎の土地、どうなっているの
- 友達の保証人になってなかった?
- 生命保険金って誰がもらえるの?
他にもいろいろでてくると思います。
これらのすべてをノートに残すことはできません。
ただ、ある種のヒントをメモとして残すことはできると思います。
これもエンディングノートの使い方でしょう。
そしてあくまでもノートですから別にルールはありません。
余白に何を書き込もうが、メモ欄に何を付け加えようが問題はありません。
もちろん特定の人の悪口を書いたり、公序良俗に反するようなことは支障があるでしょうけど、ほぼ自由に想いを遺すことができます。
字を書く代わりにイラストや挿絵をいれることも可能です。
遺影になりそうなお気に入りの写真をいれることも、旅行の思い出の写真をいれることも、もちろん大丈夫です。
つまり、遺言とは全く別のものです。
遺言を書いたからエンディングノートはいらないというわけでもなく、エンディングノートを書いたから遺言はいらないというものでもありません。
ぜひ、エンディングノートで想いを遺す…ということに取り組んでみてはどうでしょうか。