アパートの名義は誰にしますか?

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建て替えの前にちょっとまって

当社のお客様である地主さんの多くはアパート経営をされていますが、最近消費税増税前の駆け込み需要なのか増税前に建築したいという方も多くいらっしゃいます。
昔から月極め駐車場にしていた、古くなったアパートを取り壊して新たに建てなおす…普通は土地のオーナーさん自身の名義で建てることを考えますよね。
でも、ちょっと待ってください。
アパートは、土地の所有者と同じ方でなくてもいいのです。
アパートの建築は遊休地の収益化が第一の目的であり、固定資産の軽減も目的の一つだと思います。さらに、将来の相続税の節税にも効果があります。

誰の名義が考えられるでしょうか?

1.土地の所有者本人
2.推定相続人である子供
3.不動産管理法人
では、誰の名義で建てるのが一番相続税の節税につながるのか…

まずは地主さんの年齢で考えよう

相続対策で考えると、土地の所有者である地主さん本人の年齢、相続発生までの予想年数で判断することになります。
アパート建築の相続税の効果の最大のものは、建築費用に比べて建物の相続税評価額が低いことによる相続財産の圧縮です。
1億円の借金としてアパートを建築しても建物の相続税評価額が5千万円になれば5千万円の財産圧縮効果です。
子供や法人名義で建てるとこの最大の効果を受けることができません。
したがって、地主さん本人の年齢がそれなりになっていて、相続発生が近いと予想される場合には地主さん本人名義で建築すると効果が高いのです。

まだまだ若い地主さんの場合

それでは、地主さん本人の年齢が若い場合はどうすればいいでしょうか?
このアパート建築による評価引き下げの効果、時とともに薄れていきます。
1億円の借金、頑張って毎年1千万ずつ返済していくと、10年で完済できるとしましょう。
10年後、借金0で、3千万円の相続税評価額のアパートが残ったとすると財産圧縮効果はマイナスです。逆に3千万円の財産が増えたことになります。さらにこの後も収益を生み出してくれるのであれば完全に逆効果となります。
こういうケースではどうすればいいかというと、最初から子供名義や管理法人名義で建築するか、ある程度の段階で子供に贈与するなり、管理法人に譲渡するという対策を検討することになります。
そうすることで親名義でアパートを建築する場合のデメリットを改善でき、さらに所得税や住民税の節税効果を生み出すことになります。
このようにアパート建築時の名義を誰にするかはとても大事な検討事項となります。
建築会社は誰の名義でも建ててもらえば同じですし、金融機関も借りてもらえば問題ないというのが現状でしょう。
できれば不動産税務に詳しい税理士に相談すること、そして親子で財産の名義を含めた対策について話し合うことをお勧めいたします。