認知症になると相続税対策ができない?家族信託もおすすめ!

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今は長生きするのも大変です

高齢化が進んだ現代において、よく言われるのが長生きをするリスクという問題です。

60歳、65歳で定年退職して、公的年金と蓄えで生活する…80歳までの資金計画のつもりが90歳、100歳と長生きをすると老後資金が底をつく、、そんな話を聞くことがあります。

老後格差とはいいますが、地主さんなど資産家にとってはそんな心配は一切ない?

…かというとそうではありません。

認知症になると相続税対策が凍結される

高齢化時代の資産家にとって、一番のリスクは認知症になることかもしれません。

認知症になると次のようなリスクが生じます。

  • 預貯金などの財産を自由に引き出したり、投資運用することができない
  • 不動産などの売却、活用ができない
  • 生前贈与などの相続税対策ができない

我々のように相続税を得意とする税理士法人では、相続税対策として資産家の皆様に様々なアドバイスやご支援をしています。

もちろん、税法の穴をすり抜けるようなハイリスクな節税対策は行わずに、生前贈与で少しずつお子様やお孫様に資産を移転したり、アパートの建築などの財産評価を引き下げるような王道の方法でのご支援をさせていただいております。

そんな王道の相続税対策は、資産家の方が認知症になって判断能力がなくなってしまうと、対策を実行できないというものばかりです。

財産も凍結されますが、相続税対策も計画の途中で凍結ということになります。

認知症になってから家族がやる対策は問題あり!

認知症になっても打てる相続対策は…と考えると、さすがにすぐには思いつきません。

タワーマンション節税で訴訟になった事例のように、意思能力がなくなったあとで家族が行う相続税の対策は課税当局とトラブルになる可能性が非常に高いと思います。

対策をするなら意思能力があるうちに…というのが鉄則なのです。

認知症になると本人名義では法律行為ができない

認知症になると本人名義では契約などの法律行為が実質的にできなくなります。

法律行為を有効にするためには、成年後見人などの代理人のような人に代わりに行ってもらう必要があるのです。

この制度は、本人名義での契約が必要なケースで家族などが裁判所に申し立てをして後見人が選任されることになります。成年後見人が必要な人ということで認定されると、その後は成年後見人に代理してもらうことになります。

もちろん、本人の意思というものは後見人にはわかりませんから、財産の管理でも損のないような、無難な運用や管理というものが後見人に求められます。

財産の処分にも制限がありますし、生前贈与などの財産を減らす相続税対策はほぼ不可能となります。

意思能力があるうちに家族信託を利用する

一方、最近話題にのぼることが多くなっているのが家族信託という制度です。

先日NHKのクローズアップ現代+で、相続問題について取り上げられていて、番組のなかでは、新時代の相続対策として家族信託(民事信託)が取り上げられていました。

現金なうちに契約で、財産の管理を家族や法律専門家などに管理を委託をして、亡くなった段階で財産を契約に基づいて分配するような制度です。

この制度を利用すれば、財産を勝手に贈与するのは問題かもしれませんが、処分したり、運用するというのは財産の委託を受けた人が自分の判断で行うことができます。

そのため、成年後見人に財産管理を委託するよりも自由度は高く、意思能力があるうちに契約をするため、本人の意思も反映させることが可能となります。

もちろんこれも契約行為なので意思能力がなくなるとできないのですが、意思能力がなくなる前であれば、将来のためにこういう制度を利用するのもトラブル防止にはいいかもしれません。

また、遺言と異なって、生きているうちの財産管理から任せることも可能です。つまり、生前の財産管理と亡くなった後の財産の配分について、まとめて指定できるという制度になっています。

相続税の対策にはあまりメリットはないかもしれませんが、将来の財産管理ともめない相続のための準備としては有効な手段といえそうです。

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