ふるさと納税者の盲点?ふるさと納税の返礼品にも税金がかかる

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ふるさと納税が増加中

ふるさと納税が倍々ゲームで増加傾向にあるようです。
ふるさと納税、確かにお得ですし、おすすめです。2000円の自己負担でいろいろなものがもらえるんだから、やらないのは逆に損…ともいえます。一方でもらったものに対して税金がかかるのかという問題があります。
かからないわけない…というのが結論です。

原則はすべての経済的利益について課税対象

事業をやっているかどうかにかかわらずすべての儲けについて所得税はかかります。包括的所得という概念になるのですが、すべての経済的利益が所得という考え方です。

これが原則です。このほかにも個人単位課税とか、暦年課税とか所得税については原則的な考え方があります。したがって、対価がなくただで自治体からもらったものはこの経済的利益に該当するわけです。

確かに寄付したことに対するお返しですから対価ともいえるのかもしれませんが、あくまでも寄付ですから、対価として返礼品をもらっているわけではない…というところでしょうか。

所得税はどのように課税されるのか

所得税は10の所得区分にわかれています。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得という10の所得区分です。
このうちの一時所得として課税されるといわれています。

一時所得とは、国税庁のHPによると

一時所得とは、上記1から8までのいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。
(1) 懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金
(2) 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
(3) 法人から贈与された金品
利子所得から譲渡所得までに該当されない所得で、しかも雑所得でもない所得です。
「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外」というのもポイントです。
継続的行為ではないというのが大切なところです。一時所得の課税方法は、次の算式のとおりです。
総収入金額-収入を得るために支出した金額ー特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額さらに、課税段階では2分の1されます。つまり、一時所得全体で50万円を超えない限り税金はでません。
年末調整のみであれば、給与所得以外の所得が20万円以内であれば確定申告も不要となります。しかも、最後には2分の1課税です。だから脱税だ、申告もれだ…と表立つことはほとんどありません。
でも、忘れてはいけないことだと思います。
医師や弁護士など高額所得者は割と大きくふるさと納税をしているケースもあります。
申告するかどうかは納税者の意志次第かもしれませんが、制度についての正しい理解は必要でしょう。

引用:「ふるさと寄附金」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係

【照会要旨】
A市では、市外に在住する者から1万円以上の寄附(いわゆるふるさと寄附金)を受けた場合、この寄附に対する謝礼として、市の特産品(5,000円程度)を送ることとしています。
この場合の寄附者が受ける経済的利益について、課税関係は生じますか。
【回答要旨】
寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中に他に一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。
所得税法上、各種所得の金額の計算上収入すべき金額には、金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額も含まれます(所得税法第36条第1項)。
ふるさと寄附金の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法第9条《非課税所得》に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、また、地方公共団体は法人とされていますので(地方自治法第2条第1項)、法人からの贈与により取得するものと考えられます。
したがって、特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します(所得税法第34条、所得税基本通達34-1(5))。
なお、一時所得の金額は次のように計算します。
※算式は上記による
(注)
1 その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限られます。
2 AからBを控除した残額が50万円に満たない場合には、その残額となります。