資産家の生前贈与の鍵は限界税率で考える

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贈与税を支払ってまで贈与したいですか?

相続税の対策で、一番ポピュラーな方法は生前贈与です。

生前贈与では贈与税がかかりますから、この贈与税を払いたくないという気持ちも反対にあります。

贈与税は相続税の前払い的な性格ですから、有利になることもあるし、不利になることもあります。

相続税がかからない基礎控除以下なのであれば、贈与税を支払って生前贈与することは税金だけ考えると損なわけです。

もちろん、税金の話だけではなく、生前にあげたい人に贈与するということは本人の意思として尊重すべきことです。

ただ、相続税がかかることが明らかにもかかわらず贈与税を払うことに、否定的な人もかなりの割合でいると思います。

贈与をする前に、相続税の限界税率を検討しましょう

この場合に有利不利の説明をするのに使うのが限界税率という用語です。

相続税は所得税と同じように超過累進税率で課税されます。
超過累進税率では課税標準が増えるほど税率が階段状に増えるという性格になります。
つまり、上積み上積みに対して高い税率がかかることになります。

例えば課税される財産が1000万円以下の部分については10%ですが、1000万円から3000万円の部分については15%になり、3000万円から5000万円の部分については20%になり…という感じです。

実際には相続人の数や配偶者の有無など法定相続割合で按分するという段階を踏んだうえの計算になるので、計算してみないとわからない部分もあります。

相続税シミュレーションをした結果、配偶者の相続分について40%、子供の相続分について30%だったとすると全体で35%の限界税率と考えることができます。

この税率だと1000万円相続財産を減らすと単純計算で350万円の相続税が減ることになります。

一方で1000万円を子供に贈与した場合の贈与税は177万円ですから単純税率は17.7%となります。税金で比べると半分の負担で済むことになります。

ここまで説明をするとようやく生前贈与に前向きになってくるという感じもあります。

財産が3億円を超えたら500万円以上の贈与をしましょう!

資産家の方については、生前贈与をいくらするのかというのが重要になります。

相続財産の額も大きくて、金融財産が多額にあるにもかかわらず贈与の金額をしぶる方も多いのも事実です。やはり子供に多額の預金を持たせてダメな人間にしたくないという感覚もあるようです。

そういう場合には信託を活用するという手段もあります。親子間のコミュニケーションなり、財産を子孫に残すという価値観を親子で共有するという方法もあります。

相続財産が1億円くらいであれば110万円を少し超える程度の贈与でもいいかもしれません。

相続財産が3億円を超えるくらいになるようであれば最低でも500万円、さらに相続税シミュレーションで試算をしてみて、限界税率を把握したうえで、贈与額を検討してみることをお勧めします。

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