ファイナンシャルプランナーの集まりである日本FP協会では、会員同士の勉強会としてスタディグループ(SG)という組織がそれぞれの地域や専門分野ごとにあります。
今回は4月12日にそのFPの勉強会で弊社副代表で税理士、CFP認定者の山本哲が税制改正について「SGみなとみらい」様で講師をして参りました。
セミナーテーマは??
テーマは「この数年の個人税制重要改正とその影響を総チェック」。
平成30年度税制改正を中心に、ファイナンシャルプランナーの皆さんが興味を持ちそうで、実務や生活に直結する個人所得税や相続税などの改正内容とその影響について、税務に関する豆知識を交えながら講演をしました。
今回の税制改正では主に、所得税改革(基礎控除や給与所得控除など)、相続税の租税回避に対する措置、事業承継税制といったところが大きな改正となっています。
あわせてここ数年の改正としては、FPとしては外せない金融商品一体課税の内容や相続税の改正などについても触れ、2時間という枠でしたが、ボリュームが多く、レベルも高めのお話でしたが、メモを取るなど熱心に聞いていただけ、講師としてもやりがいのあるセミナーとなりました。
また、今回のセミナーでは、FPの皆様との会話で時々話題にでるふるさと納税についても、限度額計算などを中心に解説いたしました。当社のお客様にも関心の高い内容でもあり、直近の改正や総務省の動きなども含めたお話をさせていただきました。
時間の関係でご質問などは限られたものになりましたが、名義財産についてなど日ごろ疑問にお持ちのことについてのご相談もありました。
最近の税制改正のトレンドやテーマ
最近の税制改正のトレンドやキーワードとして次のようなことがいえます。
- 高所得者、資産家への課税強化
- 租税回避への対応強化(特に海外関係)
- デフレ脱却、働き方改革、アベノミクス、1億総活躍…
- 電子化、ICT
高所得者や資産家への課税が強化されている反面、法人税が減免されていて、特に大企業は恩恵を受けているのかなと思います。今の政府の考え方が大企業をまずよくして、徐々に裾野に広げていく、というのを反映しているのかもしれません。
海外を中心に租税回避への対応が強化されています。特に、武富士事件の後は相続税や所得税などの納税義務の範囲を毎年のようにいじっていますし、情報交換や国外財産調書や財産債務調書、マイナンバーなどで財産や所得の把握に努めているのかな、と思います。相続税の税務調査でも海外勤務や、海外渡航歴などを細かく確認されたりもします。パスポートを見せてほしいというのもありました。キャピタルフライト対策も進めていると思います。
あとはデフレ対策とか、働き方改革とか、3本の矢とか、キーワード的には安倍総理の言っていることを忖度するようなものも多いのかな、という印象です。
税制改正大綱では前文として基本的な考え方が書かれます。こういう趣旨で今回の改正を決めた、とか、こういった積み残しがあります…というような内容で、ここを読むと政府の考えや、流れが多少理解できるような気がします。
電子化やICTというのも最近のトレンドになってきます。
今年の税制改正での3大重要テーマ
最近のテーマに続き、相続税や資産税の分野で押さえておきたい平成30年度の税制改正として3つあります。
- 所得税改革
- 相続税の租税回避の制限
- 事業承継税制