税理士には専門分野がある
相続税の申告が必要な場合には多くの場合、税理士に依頼すると思います。
税理士が、税務のプロとして顧客の立場で仕事をしてくれるのは当然のことですが、すべての税理士がプロフェッショナルとして仕事ができるとはいえないのが現実でしょう。
そして、すべての税理士が相続税が得意ではないものです。
税理士の登録人数は7万人を超えているにも関わらず、基礎控除が下がる前の統計ですが相続税の申告件数は4万人強というバランスでした。
つまり、1人の税理士が年に1件以下というのが平均の姿です。
また、弊社では40件から50件の申告をしていますが、専門でやっている事務所では数百件の申告をやっているところもあります。
専門でやっているところに集中するためにやらない税理士も多いという話になります。
数年に1件しか取り扱っていない事務所に依頼して大丈夫ですか…といわれると、難しいと言わざるを得ません。
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基礎控除ギリギリでも…
もちろん、基礎控除ギリギリの方なら問題ないと思います。論点が少なく、財産規模も小さければそれほどリスクもありません。
ただ、段取りも悪し、書類も雑だし、税務署から見ても微妙な申告書がでてくる可能性は高いでしょう。
相続税はある程度の規模を専門的に取り扱っているプロの事務所に依頼するのがベストです。
相続なら相続税のプロの税理士に依頼できるように次の事項をチェックしてみてはいかがでしょうか?
税理士もサービス業であるとともに、プロフェッショナルとして仕事をすべきです。
しかし、税理士業界では先生家業である驕りからなのか、必ずしもそれができていないの現実でしょう。
プロとして仕事をやってくれそうかは必ずチェックしましょう。
相続税の申告を税理士に依頼する前のチェックポイント
1.税理士業界(会計事務所や税務署勤務を含む)の経験年数
相続や税務の世界は経験がものをいう業界です。ずばり経験は大切な要素です。
また、経験だけでなく、しっかりと理論の裏付けとなる勉強をしているかどうかも問われてくるでしょう。
弊社では、複数の団体の土地評価の勉強会、相続税や資産税の研究会に所属しており、知識のアップデートや研究に励んでおります。
2.税理士なった過程
税理士になった過程、税理士試験合格組であれば試験科目となります。
相続税は選択科目であるため受験していない人が多くいます。
もちろん、条文数も少ないため基本的な税務知識があれば税理士になった後でも十分に勉強可能です。
税務署OBであれば税務署時代の担当税目でしょう。
税務署は縦割りのため、法人税などほかの税目のスペシャリストの可能性もあります。
3.不動産や民法にも強いか
税理士は税務の専門家ではありますが、法律の専門家ではありません。
相続は不動産や民法などの法律も大きくかかわってきます。
不動産や民法などの知識も重要となります。
宅建士などの資格をもっているとある程度の知識力が担保されます。
4.相続の専門家であるか、相続は得意か?
相続の専門家であるかどうかは、年間どのくらいの相続の事案があるかどうかではかれます。
税理士の数より相続税の申告者が少ない年もあります。
何年も相続を扱っていない税理士もいることをお忘れなく。
5.遺産分割や二次相続の相談にものってもらえるのか?
相続税を確定する前に、遺産分割を行う必要があります。
この遺産分割のやり方で税金に影響があることがあるだけでなく、その後の家族関係にも大きな影響があります。
できれば二次相続まで考えた分割も重要になってきています。
このため、税理士など専門家のアドバイスは必ず必要です。